ロシアへの越境攻撃「ゴールに到達しつつある」 ゼレンス キー氏指摘 ウクライナ情勢 ロ ン ド ン = 藤 原 学 思 2 0 2 4 年 8 月 1 5 日 3 時 3 9 分 ウクライナ軍がロシア南西部クルスク州で展開 している越境作戦について、ウクライナのゼレン スキー大統領は 14 日夜のビデオ演説で「戦略的 ゴールに到達しつつある」と語った。ただ、その内 容については明らかにしていない。 ウ ク ラ イ ナ 越 境 攻 撃 「 三 つ の 目 的 」 識 者 が 注 目 す る 米 欧 製 兵 器 の 利 用 ゼレンスキー氏は 14 日昼、クルスク州の複数の 前線で同日中に 1 ~ 2 キロ前進し、 100 人以上のロシア兵を捕虜にしたと明かしていた。 越境攻撃は 6 日に始まったが、ゼレンスキー氏は 9 日以降、演説で複数回、「交換の蓄え ( exchange fund )」との言葉を用いており、 14 日も「交換の蓄えが大幅に補充されてきた」と述べた。 これは捕虜だけではなく、ウクライナ領を取り戻す取引材料としてのロシア領を指している可能性も ある。 一方、ゼレンスキー氏は欧米から提供された長距離ミサイルについて、ロシア領内への攻撃にも 使用を認めるよう、再三にわたり要請。 14 日も「パートナー国の決断が大胆であればあるほど、プー チン(ロシア大統領)ができることは少なくなる」と訴えた。 ウクライナの軍事アナリスト、ミハイロ・ジロホウ氏は取材に「ロシア軍は現在、航空戦力の助けを 借りてクルスク州を守っている。ウクライナにとっては、ロシアの軍用機が駐留する空港を破壊する ことが重要だ。ドローン(無人機)は十分ではなく、長距離兵器が必要になる」と語る。 「 ( ロ シ ア 南 西 部 ) ク ル ス ク ま で 1 0 8 キ ロ 」 と 記 さ れ た 案 内 。 国 境 を 接 す る ウ ク ラ イ ナ 北 東 部 ス ー ミ 州 で 2 0 2 4 年 8 月 1 3 日 撮 影 = A P ウクライナ大統領府によると、ゼレンスキー氏は軍幹部らとの会合で、越境攻撃について「自衛権 の行使だ」と主張。ウクライナ軍は国際的な法規を厳格に順守していると強調したという。 ベレシチュク副首相によると、ウクライナはクルスク州の民間人に対する人道支援の提供や、どち らの国にも避難できるような人道回廊の設置を検討しているという。(ロンドン=藤原学思) ウ ク ラ イ ナ 情 勢 最 新 ニ ュ ー ス ロ シ ア の ウ ク ラ イ ナ 侵 攻 に 関 す る 最 新 の ニ ュ ー ス 、 国 際 社 会 の 動 向 、 経 済 へ の 影 響 な ど を 、 わ か り や す く お 伝 え し ま す 。 [ も っ と 見 る ] 朝 日 新 聞 デ ジ タ ル に 掲 載 の 記 事 ・ 写 真 の 無 断 転 載 を 禁 じ ま す 。 す べ て の 内 容 は 日 本 の 著 作 権 法 並 び に 国 際 条 約 に よ り 保 護 さ れ て い ま す 。 C o p y r i g h t © T h e A s a h i S h i m b u n C o m p a n y . A l l r i g h t s r e s e r v e d . N o r e p r o d u c t i o n o r r e p u b l i c a t i o n w i t h o u t w r i t t e n p e r m i s s i o n . 「朝日新聞デジタルを試してみたい!」というお客様にまずは 1 カ月間無料体験 お 申 し 込 み は こ ち ら こ の 記 事 を 書 い た 人 藤 原 学 思 ロ ン ド ン 支 局 長 専 門 ・ 関 心 分 野 ウ ク ラ イ ナ 情 勢 、 英 国 政 治 、 偽 情 報 、 陰 謀 論 フォロー